抜け毛に関して

がんと薄毛

がんの治療には外科手術、放射線治療、化学療法(抗がん剤による投薬治療)などがあります。抗がん剤や放射線治療には吐き気や嘔吐、脱毛などの副作用があります。化学療法の場合、使用する抗がん剤の種類や量によって脱毛率は大体30%からまつげや陰毛まで脱毛するいわゆる全身脱毛と呼ばれるものに至るまで様々です。

副作用としての脱毛が始まるのは投薬開始から大体2~3週間目ぐらいからと言われています。放射線治療も脳腫瘍など頭部に出来る腫瘍に対して行う場合には照射部位から脱毛が始まります。放射線治療による脱毛の場合、照射部位の毛根は壊死してしまうため、再生の可能性は極めて低いと言えます。

シャンプーやブラッシングをしていて大量の髪の毛が抜けるのを目の当たりにすることは特に女性の場合には想像以上にショッキングな出来事かもしれません。しかし、抜け毛は病気が悪化しているからではなく、抗がん剤が効いている証拠だと理解して必要以上に落ち込まないように心がけてみましょう。

落ち込むことで病態が好転することは滅多にありません。だから目先を少し変えて、例えばウィッグを使うとしたら、これまででは出来なかったようなおしゃれなスタイルのものを選んでみるといった具合に、遊び心を失わないということは闘病にあたってとても大切な事です。

実際がんの告知を受けてなるべく笑顔で過ごすようにしていることでがんが小さくなったとか経過がよくなったという話は多数報告されています。病気をきっかけに新しい自分と出会うつもりで、ポジティブな考えを持つようにしてみてはどうでしょうか?

薄毛に悩む現代女性

薄毛、抜け毛の悩みはこれまで男性特有のものだと思われてきました。しかし近年薄毛に悩む女性の数が急増しています。ある統計では日本国内で薄毛、抜け毛に悩む女性の数は推定で600万人。日本女性の約10人に1人の割合で薄毛や抜け毛に悩んでいるという計算になります。女性の薄毛の場合、原因はいろいろとありますが男性に比べて改善する可能性が高いといわれています。

女性特有の脱毛症について正しい知識を身につけることで薄毛や抜け毛の悩みから開放されましょう。女性の脱毛症で最も多いのがびまん性脱毛症です。これは頭部全体の髪の毛がほぼ均等に脱毛し、全体が薄くなっていく病気ですが、女性の場合は特に髪の毛の分け目に薄い部分が目立つようになります。

原因の第一位と考えられるのは高齢化社会への推移に伴う老化です。老化により頭皮の代謝が下がり、髪の毛全体に必要な栄養素が行き渡らなくなることが最も可能性として高いのです。その証拠にびまん性脱毛症は中年以降の女性に多く見られます。また白髪染めやブリーチ、メッシュ、パーマなど髪の毛と頭皮にダメージを与える美容法も原因となっていると推測されます。

加えてストレスや極端なダイエット、傾向避妊薬(ピル)の常用、過度のヘアケアなどもびまん性脱毛症の原因となります。びまん性脱毛症の場合、男性型脱毛症とは異なり、前頭部の生え際が後退するなどの症状が出ることはありません。治療と対策としては正しいヘアケアとミノキシジルなどの育毛剤の併用で症状が改善すると考えられます。

また女性の場合は妊娠後期になると女性ホルモンのエストロゲンが異常に増加するために、ヘアサイクルの成長期が長期化します。そのため一時的に抜け毛が減少します。そして出産後ホルモンバランスが元に戻ることで成長期を維持していた毛髪が一斉に休止期に入り抜け毛が突然増えます。

ただしこれは女性特有の生体サイクルの一環なので通常は1年ほどで元に戻ります。ただし最近では女性の社会進出などによって婚期が遅れ高齢出産するケースが増えてきました。また社会的なストレスにさらされる機会も増加したため、そこに産後のストレスが重なることで完治が困難になる可能性があります。

また流行のヘアスタイルの為に髪の毛を強く引っ張ることで起こる脱毛もあります。これを牽引性脱毛症と言います。これは外的要因がはっきりとしているため、少しでも早く髪の毛を強く引っ張ることを止めて早期に適切なヘアケアをすることで改善されます。

薄毛と生活習慣

生活習慣は意外なほど脱毛症と関係が深いものです。ここでは脱毛症に関係性が深いと思われる生活習慣の例を紹介します。まずは飲酒です。実は飲酒そのものが髪に悪影響を及ぼすということはまだ実証されていません。

アルコールは「百薬の長」や「命の水」と例えられるように適量の飲酒を守っていればストレスを解消し、頭皮の血行を良くすると考えられています。しかし、一定量を超えると血液のめぐりが悪くなり、結果として髪にも悪影響を与えると考えられています。

髪はケラチナミンと言うたんぱく質から出来ています。ケラチナミンは肝臓で生成されるのですが、過度の飲酒は肝臓にダメージを与え、ケラチナミンの生産量を低下させてしまいます。また肝臓だけでなく飲みすぎは胃腸にもダメージを与えています。胃腸の機能が弱ることで消化吸収がうまくいかなくなり髪に十分な栄養素が供給できなくなるのです。

喫煙は脱毛症にとって最大の敵と言えるでしょう。なぜなら喫煙によって体内の血管は収縮し、血行不良を引き起こすからです。結果とし頭皮の血行も悪くなり、毛乳頭に十分な酸素と栄養素が行き渡らなくなります。薄毛に悩む人はすぐにでも禁煙されたほうが良いでしょう。

ストレスによって与えられる精神的緊張もまた血管を収縮させます。現代では仕事による社会的ストレスや対人ストレスなど様々なストレスに見舞われるケースが増えました。このため自分なりのストレス解消法を見つけるなどしてストレスと上手に付き合うことが脱毛症を含めた様々な病気の予防につながります。

発毛や育毛にはゴールデンタイムというのが存在します。じつは身体が活発に活動している日中は体の各部に血液が流れるために交感神経が活発化し末端の細い動脈を収縮させます。そのために頭皮でも血流が鈍っています。それが午後10時から午前2時にかけての時間帯は通常人は休眠状態に入っているため末端の細い動脈が拡張され、体中に栄養素が運ばれているのです。

これを「発毛のゴールデンタイム」と呼びます。ただし、このゴールデンタイムに起きて活動してしまうと再び末端の動脈は収縮してしまいます。薄毛対策には睡眠時間というのもとても大切なのです。

抜け毛のパターン

AGA(男性型脱毛症)の進行具合には他の脱毛症と比べると特徴的なパターンがあります。そのパターンは大きく3つに分類することができます。AGAの抜け毛の進行具合で最も数が多いのが前頭部(おでこ)から薄くなるパターンです。

前頭部の髪の毛の生え際が徐々に薄くなっていき、放置するとそれがしだいに頭頂部に向かって広がっていきます。次に多いのが頭頂部からAGAが進行するタイプです。つむじと呼ばれるあたりの毛髪が次第に薄くなり、円形に広がっていきます。

この場合、側頭部や後頭部には毛髪が残ることが多いようです。これ以外のパターンとしてはM字型の進行タイプと呼ばれるものがあります。これは前頭葉から薄くなるタイプと似通っていますが、前髪の中央部分が残るのが特徴的です。AGAが進行しても前髪の中央部分のみの毛髪が残る人もいます。またAGAは遺伝因子による要因も示唆されています。

例えば家族や家系に前頭葉から抜け毛が進んでいるAGAの人がいる場合、同じタイプの進行具合で毛髪が薄くなっていくことが多いということです。しかし全てのAGAが遺伝によるものとは限りませんし、仮に遺伝によるものだと判明してもあきらめる必要はありません。頭皮を清潔に保ち、血行をよくすることで毛母細胞の代謝を促し、生活習慣を改めることで発症や進行を遅らせることは十分に可能なのです。

また、現在ではAGAを引き起こす酵素の働きを阻害する薬の登場で、治療には光明が差しています。先ずはAGAについて正しい知識を身につけることが大事です。家系にAGAの人が居るなら今すぐにでも自身の生活習慣を見直し、専門医に相談した上で適切なヘアケアを心がけましょう。