江戸時代に薄毛は少なかった

統計によれば脱毛症の患者は第二次世界大戦後に急増してきました。それではそれ以前はどうだったのでしょうか?実は戦後急増した脱毛症患者の多くはAGA(男性型脱毛症)の患者なのです。

日本人のAGAには特徴的な症状があり、最も多いのはおでこの生え際から抜け毛が始まりそれが頭頂部への拡大していくパターンでそれに次いで頭頂部からおでこに向かってしだいに抜け毛が広がっていくパターンのものです。様々な研究の結果、脱毛症の原因は欧米化した生活習慣や社会的なストレスだということが分かってきました。

しかしAGAには遺伝的な要因も示唆されています。もしそれが本当なら日本人には遺伝子的に見ても伝統的にAGAを引き起こす要因があると言うことになります。じつはこのなぞのキーワードには江戸時代の頭髪にまつわる風習にあると考えられます。

それまで武士の象徴であったちょんまげですが、江戸太平の世の中で商人たちが財力を持つようになりその結果として身分としては低かった商人たちも身分の高い武士のファッションやライフスタイルを真似るようになりました。当時では男子が成人とみなされる数え年で12歳から16歳頃になると元服という儀式が広く執り行われていました。元服にはマゲを結った時に見栄えを良くするために月代(さかやき)といわれる額から頭頂部にかけての毛を剃る儀式が含まれています。

これが特権階級であった武家から庶民である町民にまで広く行われることでAGAで最も多いとされる額から頭頂部にかけての髪の毛が10代の頃には既に無い状態だったことが理由であると考えられます。元々AGAを気にかける必要がなかったんですね。この月代という風習は明治維新後もしばらく続いていたためにあまり学術的な研究が進められなかったのが江戸時代には脱毛症で悩む患者が少なかった理由なのではないでしょうか?

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